ある日のこと、風呂上がりにビールを片手に、ボケっとテレビを見ていた。
翌日の会議資料をパソコンで作成していた妻が二階から降りてきた。
「終わったの?」
「うん。買い物している途中に急に思い出しちゃって、あわてて作ったけど、セーフ」
妻は、今春から市役所の臨時職員として、生涯学習課に努めている。市民センターで開催されるカルチャースクールなどの、募集案内や受講受付などを担当しているのだ。
後述するように腰が悪いため、立ち仕事ができないため、市の広報誌を見て、事務仕事なら、と応募してみたら、あっさり採用になった。
42才になる妻は、はっきり言ってどこにでもいるおかあさん、という感じだが、教員免許、簿記、珠算、図書館司書などの文化関連資格を持っているため、教育委員会の印象が良かったのかも知れない。続きを読む